川辺町にある縣神社。
JR高山線沿い。
4月1日に開催された「桶がわ祭り(こじきまつり)」に行ってきました。
祭りのことは、神田卓朗さんの「こんな話知っとんさる?おもしろ岐阜学入門」で知りました。
境内に祭りの主役が到着。
祭りの主役は乞食(こじき)さん。
地域の伝承によると、干ばつによる水不足で飢饉の恐れがありました。
ある時乞食が神社の縁の下で寝起きするようになったという。
乞食は笑顔を絶やさず村人からも好かれ食べ物をもらうように。
すると不思議と雨が降り秋になると豊作に。
村人が「乞食は神様のお使いではないか」と。
お礼のために神社へ行くと乞食の姿はありませんでした。
その後、この村では乞食は神の使いと信じられ、祭礼の時にはたくさんの赤飯を炊いて乞食に振る舞うようになりました。
「川辺町史 通史編」を読むと、食料事情が悪かった明治・大正時代には、早朝から多くの本物の乞食さんが集まっていたそうです。
昭和になりだんだん乞食が集まらなくなり、代わりに作られたのが右の人形。
現在は地域の厄年の方が乞食役を務めています。
11時から神事。
昼から14時までは特に動きはなし。
ご飯を食べに行く時間は余裕であります。
乞食さんはむしろの上に座りっぱなし。
訪れた人たちとの交流を楽しんでました。
昨年の乞食役の方も来てました。
14時から祭りのメインイベント。
氏子が赤飯が入った桶を担いで境内を3周。
乞食の頭の上に赤飯が入った桶を被せます。
祭りの流れがよく分かってなくて肝心な場面を撮れませんでした。
桶を被せるときに底が割れ、側だけになったなったことから桶側祭りと呼ばれたらしい。
シートの上にぶちまけられた赤飯を食べると、豊作や子宝に恵まれるなどご利益があるそうです。
激しい赤飯の奪い合い。
なんとか赤飯をゲット。
何か良いことあるといいな。
今は小分けしてビニールに入ってます。
それまでは桶の中に赤飯がそのまま入ってました。
乞食の髪の毛についた赤飯まで1粒残らず奪い合ったという。
本当に桶の底が割れる勢いでした。
15時からは餅まき。
まだ春休み期間なので多くの子供たちも集まってました。
赤飯同様、激しいお餅の奪い合い。
今回、地域で継承される珍しいお祭りを見ることができました。
ほのぼのとして楽しかったです。
興味が湧いた方は来年の4月1日は縣神社へ。
JR下麻生駅から徒歩30分。