年末年始はいかがお過ごしでしょうか。
再び雪が降り出しそうですし、家でゆっくり読書を楽しむのも良いのでは。
岐阜県加茂郡東白川村といえば、ツチノコの目撃数が日本一。
ツチノコ関連の本を3冊紹介します。
田辺聖子さんの「すべってころんで」
1972年(昭和47年)朝日新聞夕刊に連載されていた小説。
昭和の中年夫婦の姿を描いた家庭小説。
夫は幻の蛇ツチノコ探しに執念を燃やします。
当時テレビドラマ化され、全国的なツチノコブームに火をつけたそうです。
山本素石さんの「逃げろツチノコ」
元々、1973年(昭和48年)に二見書房より刊行。
2016年(平成28年)に43年ぶりに山と渓谷社から奇跡の復刊。
全国のツチノコハンターから熱いリクエストがあったのでしょうか。
渓流釣りの第一人者である素石はある林道でツチノコと遭遇します。
その箇所の一部を引用すると、
妙なものは、その日陰の藪だたみからとんできた。ヒューッといったか、チィーッといったか、そのどちらともつかぬ音を立てて、下生えの藪の中からゆるい放物線をえがいてとびかかってきたのは、一見したところ、ビール瓶のような格好をしたヘビであった。
その後、素石はツチノコ捜索のため有志により「ノータリンクラブ」を結成。
ツチノコの指名手配書を作成し賞金までつきます。
この時の手配書に描かれているツチノコは、現在我々がイメージするツチノコの姿に似ています。
ノータリンクラブの捜索場所の中には旧徳山村も登場。
ツチノコはダムに沈んだのでしょうか。
田辺聖子さんも捜索に参加した回もありました。
なぜ本のタイトルを「逃げろツチノコ」にしたのか。
著者のツチノコへの思いが伝わってきました。
「釣りキチ三平」でおなじみの漫画家・矢口髙雄さん。
秋田県出身で矢口さん自身も小学5年生の時にツチノコを目撃。
1973年(昭和48年)の3月から10月にかけて週刊少年マガジンで「幻の怪蛇バチヘビ」を連載。
自身とアシスタント達とツチノコを捜索する話です。
ツチノコの呼び名は地域によって違います。
1973年(昭和48年)の夏は全国でツチノコブームに沸いていたそうです。
「幻の怪蛇バチヘビ」のヒットが翌年から連載される「釣りキチ三平」につながっていきます。
「すべってころんで」「逃げろツチノコ」「幻の怪蛇バチヘビ」
この3作品は同時期に出版されています。
この時自分はまだ生まれてませんでした。
この時代に小中学生だった方に、当時の話を聞いてみたい。