岐阜市にある「岐阜市民会館」
モダンで特徴的な外観。
茶色い円筒形の部分がホール。
設計は岐阜県羽島市竹鼻町出身の坂倉準三(1901-1969)
羽島市役所旧庁舎の設計もされました。
8月21日に「まいまい東海」で開催されたツアーでは、1級建築士・田中光城さんと岐阜市役所と岐阜市民会館をめぐりました。
建築の専門家ならではの視点がとても勉強になりました。
今まで気にしてなかったけど、ドアノブもおしゃれなデザイン。
岐阜市民会館は1967年(昭和42年)に開館。
建築業協会賞を受賞。
2022年(令和4年)には「日本におけるモダン・ムーブメント建築」に選定。
小学生の頃、描いた絵が賞を取り岐阜市民会館で展示されました。
学校の行事でお芝居を見にきたこともあったような。
坂倉準三は、東京帝国大学文学部美学美術史学科卒業。
学生時代から建築を勉強していたわけではありません。
大学卒業後、パリの建築家ル・コルビュジェのアトリエで建築を学びます。
建築なので最低限の機能を満たす必要がありますが、坂倉建築を見ていると、まず美しさを大切にしているのが分かります。
1階にある階段。
有機的な曲線が美しい手すり。
階段を上からのぞくと美しい螺旋。
天井の照明にもこだわりを感じます。
通路にある落ち着いた色のタイル。
「大仏タイル」と呼ぶそうです。
タイルの色や風合いが1枚1枚違います。
坂倉が好んで使用していた大仏タイル。
外から見える円筒形のタイルと同じものです。
時代を経るごとに熟していきます。
楽屋の文字がレトロ。
整然と並ぶ化粧台。
円形の大ホール。
音響的には円形は良くないらしい。
横にあるひだのような部分が音響的な問題を解消しているそうです。
美しさを優先する坂倉らしさが良く現れています。
ツアーではステージの上にも立たせてもらいました。
壮観でした。
このステージで歌ったら気持ちが良いだろうなあ。
岐阜市民会館でイベントが開催され立ち寄る機会があれば、坂倉建築の美しさに触れてみて欲しい。
解体が濃厚な羽島市役所旧庁舎。
一度も中に入る機会がなかったのが心残り。
壊す前にどこかの土日に庁舎を開放して写真を撮らせて欲しい。