現在開催中の「国際芸術祭あいち2022」
今回は愛知芸術文化センター会場へ行ってきました。
多数の作品が展示されていたのですが、特に気になっていた作品はこちら。
荒川修作+マドリン・ギンズの「問われているプロセス/養老天命の橋」(1973-1989)
フランスのルピエール市を流れるモーゼル川に全長140メートルの橋を架けるプロジェクトがあったそうです。
プロジェクトは残念ながら未完。
10分の1サイズの模型が展示されていました。
橋は21のセクションが連なっていて、身体的な反応を誘発する装置となっています。
荒川作品らしく、奇抜な外観。
説明を読んで最初「これが橋なの!?」と驚きました。
それぞれのセクションの構造も独特。
もし橋が完成していたら、アトラクション感覚で楽しめそう。
橋を渡り切るまで時間がかかりそうですね。
この当時から荒川修作は“死なないため”の建築がテーマだったようです。
芸術祭の開催期間は10月10日まで。
1995年に岐阜県養老町に開園した「養老天命反転地」
養老山脈を背景にした死なないためのテーマパーク。
園内は水平垂直な部分はなく、特異な構造物を見ながら歩いていると、自分の中に眠っている感覚が呼び覚まされます。
死にゆく天命に反転。
当時の荒川+ギンズは「天命反転都市」の建設を岐阜県に提唱。
天命反転地は人間が死ななくなる街へのスタート地点に過ぎません。
荒川修作自身は肉体的、物質的には2010年に亡くなってます。
また彼は「人間は死なない、ただ消えてゆくだけだ」という言葉も残してます。
養老天命反転地は年間を通してオープンしてます。
荒川+ギンズの世界を体感されてみては。
幼き頃の肉体と意識を取り戻しましょう。
Reversible Destiny